若者も引っかかってしまう…電話詐欺に隠されたセールステクニック 

From:藤岡将貴

先日、風呂上がりにテレビをつけたら、電話を使った詐欺の手口を公開する番組をやっていたので、何気なく見ていました。最初はお年寄りを狙った詐欺の手口を公開していて、「もう何年も前から”振り込め詐欺”やら”オレオレ詐欺"やらが言われているのに、いまだに引っかかっちゃう人がいるんだなー」なんて思いながら見ていました。

でも、その番組の最後に出て来た、昨年から急増しているという"ある詐欺"は、ちょっと違いました。なにが違うのかというと、20代30代の若者でも引っかかってしまっている新手の詐欺、とのこと。これまでの電話を使った詐欺は、どちらかというと、お年寄りを狙っているものが多い印象でした。それに、普段からスマホでネットを見ている若者なら、そんな詐欺が出回っていることを知っている人もいそうなものです。なので、若者が引っかかってしまう新手の詐欺、というのに興味を引かれたんです。


その手口はというと、、、


まず、スマホに着信があることに気づきます。で、その番号にかけ直すと、あなたにもきっと馴染みのある女性の声が流れて来ます。誰だと思いますか?それは、、、

音声ガイダンスの声です。

あなたもきっと聞いたことがあるはず。例えば、家のポストに宅配便の不在票が入っていて、再配達受付センターに電話したことはありませんか?その時に必ず「こちらは___(宅配会社の名前)再配達受付センターです。お手元の不在票を見て番号を押してください」といった感じの音声ガイダンスが流れてきますよね?こんな、普段から聞き慣れている音声ガイダンスの女性の声で、こんなことを言われるそうです。

「こちらは__銀行です。お客さまにご利用いただいているクレジットカードに関する、重要なお知らせがあります。9番を押してください。」

で、9番を押すとオペレーターに繋がります。

「大変お待たせいたしました。こちら__銀行クレジットカードセンターです。」

と。で、「着信があったので折り返したんですけど…」と伝えると、

「まずは、お客様の現在の状況をお調べいたしますので、お名前をフルネームで教えてください。」

と言われます。”重要なお知らせ”と言われたので、つい聞かれるがままに名前を伝えると、しばらくして、

「◯○さま、大変お待たせいたしました。◯◯さまのクレジットカードですが、現在不正使用されている可能性がございます。状況を確認いたしますので、カードに記載されている17桁のカード番号を教えてください。」

と言われます。”不正使用”と言われて動揺してカード番号を伝えると、、、

「ありがとうございます。」

を最後に電話が切られてしまう、というものです。

これ、「音声ガイダンス詐欺」と呼ばれているそうで、自動音声で本物の銀行を思わせて個人情報を盗み取る手口だそうです。実際に三井住友銀行を名乗った詐欺があったそうで、三井住友銀行のホームページでも注意を促していました。

ネットで調べてみたら、ほかにも、NTT東日本を装い、「電話料金を返還するので数字の9を押してください。」との自動音声ガイダンスが流れて、そのガイダンスに従って9を押すと、電話料金を返還すると言って個人情報を聞かれる、というものもあるそうです。

どうです?この電話詐欺。正直、僕はこれを見た時に、

「あ…これ、オレも引っかかるかも…」

と思ってしまいました。あなたはどうですか??でも、なんで、20代30代の若者ですら、電話を使ったこの詐欺に引っかかってしまうのでしょうか?おそらく、それはセールスライティングでも重要なこの1つの要素でしょう。それは、、、


「信頼」です。


音声ガイダンスによる案内は、宅配会社をはじめ、銀行、クレジットカード会社などでよく使われています。なので、僕らも"電話をかけたら音声ガイダンスが流れる"という流れに慣れているので、ほとんど疑いを持っていませんよね?それどころか、”音声ガイダンスを使っている企業”というだけで、”しっかりしている企業"と感じて信頼してしまうかもしれません。そして、いつもの聞き馴染みのある女性の声が、猜疑心を薄れさせます。これが男性の声だったら違和感を感じたかもしれません。

このように「信頼」は、警戒心や抵抗感を薄れさせ、行動を促すパワーを持っています。「不正使用」という不安を煽るワードを使っているとはいえ、掛け直した電話口でいきなり「不正使用の疑いがあるから、番号を教えてください」と言われても、疑いを持つ人が多いでしょう。

それが、第一声があの聞き馴染みの音声ガイダンスの女性の声だと警戒心が薄れてしまう。そして、"音声ガイダンスに従う"という馴染みの手続きに、なんの疑いもなくボタンを押してしまう。音声ガイダンスの手続きをふむことで「ちゃんとした企業」というフレーミングがされてしまう。というわけです。

もちろん、詐欺は犯罪です。このようなテクニックを犯罪に使っては絶対にいけません。ですが、正しく使えば、人を動かす1つの要素になることは真実と言えそうです。


「商品やサービスは良さそうだ。でも、、、」


特に、士業や治療院など、あなた個人が接する業界では、あなた自身の信頼をアピールすることは効果的でしょう。もしかしたら、お客さんは、ホームページやチラシを見て、「商品やサービスは良さそうだ。でも、ぼったくられたらどうしよう…怖い人が出てきたらどうしよう…高いものを買わされそうになったらどうしよう…」なんてことを思って、お店に行くのが怖い、電話するのを躊躇している、なんてこともあるかもしれません。

なので、普段からメルマガやブログであなたの顔を出すだけでも、相手の不信感は薄れるでしょう。あなたが登場する動画を公開すれば、声のトーンや表情、話し方から、あなたに信頼感を持ってもらうこともできるでしょう。

"『信用』は、過去の実績や成果を見たうえで信じること。『信頼』は相手に対して「この人だったら大丈夫だろう」と期待すること。"

どこかのページにこんなことが書いてありました。どれだけあなたのこれまでの実績が「信用」たるものだったとしても、あなた自身を「信頼」してもらえなかったら、あなたから買おうと思ったり、仕事を依頼しようとは思ってもらえないかもしれません。逆に、人柄や振る舞いから「信頼」してもらえたら…いい仕事をしてくれそうだと「期待」してもらえたら…たとえ実績がなかったとしても仕事を依頼してもらえることもあるかもしれません。どうやったらあなた自身を信頼してもらえるか?ぜひ一度考えてみてはどうでしょうか?


-藤岡将貴



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